JUJU
どんな仕事もそうだと思うんですが、1つの仕事を終える時は“チェック”が必要ですよね。
正直、いまだにどれだけチェックしても納品してからチェックバックが来るまでの間は不安な気持ちになりますが、そんな私が納品前にやっているチェックのしかたについて詳しく紹介していきます!
韓日映像翻訳だけでなく、他言語の映像翻訳者の方にも役立つ情報だと思います^^
エクセルでのチェック
SSTのツールバーのエクスポート→見直し用リスト(Excel)をクリックすると、字幕の情報をすべてエクセルで吐き出せます。
こんな感じですね。
Bトラックの確認
トラック:Bだけで絞り込み
斜体:空白の部分がないかチェック
斜体の欄が空白になっていたらイタリックになっていないということです。
途中で追加したハコをイタリックにし忘れていた、ということもあるのでチェックが必要です。
表示時間の確認
翻訳会社によって違いますが、どの会社も最低表示時間というのが決められていると思います。
表示時間の列で翻訳会社ごとの最低表示時間より短いハコを絞り込んでSSTでハコの長さを調整、もしくは前後にカット割りがあるなどどうしても最低表示時間を守れない時はメモ欄に申し送り事項として記載します。
原文欄の確認
翻訳する時に気に入らない部分があったりすると原文欄に★など記号を入れておいて時間が経ってから見直して修正することがよくあるんですが、そういうものが残っていないかを原文欄で絞り込んで確認します。
ワードを使った確認
表記ゆれチェック
次はエクセルで吐き出した字幕の内容をワードに貼り付けます。
校閲タブ→表記ゆれチェックの順にクリックすると、表記ゆれと思われる部分がずらっと表示されます。
ひとつずつ確認していき、必要に応じてSDBファイルを修正します。
エディター
次は同じく校閲タブ→エディターの順でクリックします。
すると右側に“エディター”という枠が出てきます。
星印をつけている“修正点”というところが黒くクリックできるようになっていたら、そこをクリックして必要に応じてSDBを修正していきます。
ここにも“表記の揺れ”という項目がありますが、内容は先ほど確認したものと同じなので飛ばしてOKです。
全部ここで確認してもいいかもしれませんが、表記ゆれを一覧でチェックしたい場合はやはり“表記ゆれチェック”を使ったほうが見やすいです。
以上が全体を完成させた日に行う作業です。
SSTでのチェック①
映像を開かずに字幕データだけ確認
この作業は、字幕を完成させたのとは別日に行います。誤字脱字や前後の流れ、日本語として不自然でないかを確認するのが目的です。韓国語を聞いてるとそっちに引っ張られて見逃しちゃうことって結構あるんですよね;;
ということで、この状態でひたすら“Page down”を押しながら日本語だけを見ていきます。
必要に応じて映像を表示させ、韓国語を確認したあと修正していきます。
台本の確認
ドラマの場合はここで台本の確認を行います。
訳出作業をしながらも必要に応じて台本は見ていますが、ここでは台本を通しで読んでいきます。
ちなみにドラマの台本には、韓国語ネイティブが聞き起こした台本と、実際に演技をする時に使う台本があります。
前者の場合は聞き間違っていた部分がないかの確認しかできませんが、後者の場合はセリフだけでなく状況の説明や、演技の方向性、カットされたシーンなども入っているので、読み込むことでより深くドラマを理解することができます。
読み込みながら必要に応じて修正をしたり、台本と違う部分があった場合は申し送りを残すこともあります。
SSTでのチェック②
またSSTでチェックするのかよって感じですよね(笑)
はい、やりますよ。(笑)
ここからは納品する日に行うチェックです。
(ちなみに私は指定された納品日の前日に納品するようにしています。スケジュール管理についてはこちらをチェック☆)
全体を再生しながら確認
これだけでも結構、勘違いしていた部分、もっと自然にできそうな部分、統一されていない部分などに気付けますし、バラエティーの場合、訳したほうがよさそうなテロップの翻訳漏れなどに気付けます。
翻訳しながら見ていた時には気付かなかった新たな発見があったりもします。
引用番号の修正
確認作業をしながらハコを削除したり、結合したりすることによって字幕番号が変わることもよくありますよね。
なので納品前には回想シーンなどに入れている引用番号がズレていないか確認します。
“最終チェック”機能
SSTには“最終チェック”という機能があるので、次はこれを使ってチェックしていきます。
ツールバーのチェック→最終チェックとクリックしていくとこういう画面が出てきます。
私が設定しているのは↓こんな感じです。
- 1秒あたりの文字数制限(過剰)
- 行頭行末にスペースあり
- スポッティングのみの字幕
- 横字幕・縦字幕の設定文字数オーバー
- 文頭文末に改行あり
- 1文字組み文字
- 同一の字幕番号
- カッコが閉じられていない字幕
- 斜体と正体の混在字幕
- 無効な改行・文字コード
- フォーマット設定と異なるフォントサイズ使用文字
ちなみに設定を保存できるようになっているので、取引先ごとに文字数制限が違う場合は翻訳会社ごとにリストを作っておくのもありかもしれません。
この機能、結構便利だと思うんですが、意外と使っていない人が多いみたいなんですよね。
というのも検収の仕事をしていると、
同一の字幕番号(字幕番号が振り直されていない)
文頭文末の改行、行頭行末のスペース
斜体と正体の混在字幕
このあたりが引っ掛かる字幕がすごく多いんです;;
せっかく使える機能があるのでバンバン使っていきましょう!!!
おわりに
今回は私が納品前に行っているチェックのしかたについてご紹介させていただきました。
ちなみに納品後にチェックバックが戻ってくる場合は、それを修正したあとも全体をもう一度再生して確認しています。
何度見ても、新たな気付きがあるものなんですよね、不思議なことに。
これはあくまでも私流のやりかたなので、もっといい方法があるよ!って方は教えてください!
それでは、あんにょ~ん^^