【映像翻訳の沼にハマる】第7回 “下訳を直す簡単なお仕事です”なんてものはない & 検収(校正)の仕事を全部やめた話

あんにょんはせよ^^
現役韓日映像翻訳者JUJUのウェブコラムへようこそ!
やっとこさ仕事が落ち着いて、約半年ぶりの更新です(涙)
ぜひ、最後まで読んでいってくださいね^^

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“下訳を直す簡単なお仕事です”なんてものはない

後にも先にも一度しか受けたことのない仕事なのですが、他の人が下訳をした作品を、私が修正して納品するという仕事がありました。
検収の仕事もしていた時だったので、それと大して変わらないかなと思って何の気なしに受けてしまったのですが、これがなかなかの地獄でした…。

映像翻訳をしていると、単価やスケジュールなど最初から全ての情報をちゃんと教えてくれる会社さんは神だなと思うんですが、それはきっと後出しでいろんなことを追加してくる会社さんもあるからですよね。
この仕事もまさにそういった仕事で、いろんな裏事情が詰まった仕事でした…。

やると回答してから後で聞いた話によると、

・他の翻訳者が今作業をしているが、想像以上にクオリティーが低かった
・でもなかなか大事なクライアントだから全部修正するくらいの気持ちで修正したい
・最初から翻訳し直したほうがいいのかもしれないけど一応その翻訳者にもお金は払わないといけないからJUJUにはチェック単価でやってほしい

ざっとまとめるとこういうことが言いたかったみたいです(笑)
先にその話を聞いてたら全力で断ってたと思うんですが、もうやると言ってしまったあとなのでどうしようもなく…。
ふたを開けてみたら本当に誤訳やミスのオンパレードでほぼ全部修正することになりました…。

ちなみに、最初の数話をそんな感じで私が修正し、残りの話数を私が一から翻訳したのですが、修正にかかった時間と翻訳にかかった時間はほぼ同じでした。
なのでチェック単価っていうのは納得いかないというのをあとから伝えてみたところ、さすがに良心が痛んだのか←希望どおりに単価を上げてもらえました…。
最初からもっと詳しく聞けばよかったなと後悔もしつつ、次から詳細の分からないうちに仕事を受けるのはやめようという教訓を得た出来事でもありました…。

検収(校正)の仕事を全部やめた話

上記のお仕事もそうですが、検収の仕事をしているうちにいろいろと不満が溜まってしまっていることに気付き、去年からは検収のお仕事を一切受けないことに決めました。

とはいえ検収の仕事にはメリットもたくさんあります。
一番のメリットはいろんな作品に触れられることでしょうか。
自分では絶対に見ないような番組も見られますし、必然的に韓国の情報が頭に入ってくるので背景知識が増えて翻訳にも役立ちます。
上手な翻訳者さんの作品を検収する時にはお金をもらいながら勉強しているようなもので、自分が思いつかないようなステキな表現に出会えることもたくさんあります。

そういったメリットを捨ててでも検収の仕事をやめてしまったのは、デメリットに耐えられなくなったからです…;;
ということで、前置きが長くなりましたが、検収の仕事をなぜやめたくなったかについてお話したいと思います。

まずはクオリティーが低い作品が多すぎたこと。
人間なのでミスもするだろうし、私自身も完璧なわけではないので、1つもミスするな!というわけではないんですが、何度も同じ指摘をすることが多かったのが結構ストレスでした。

クライアントからのフィードバックを全く反映してくれない人(多分、確認すらしていない?)や、きっと訳したらすぐ納品していて全体を通しで見てないんだろうなという人も結構いたし、調べものをちゃんとせずに検収者任せにしてる人も見ててモヤモヤしました。
そうなると必然的に作業時間も長くなるわけで、だからと言って追加料金をもらえるわけでもなく…。

あとはスケジュールを守らない人が結構いるということ。
もちろん、子供が熱を出したとか、事故に遭ったとか、ある程度しかたない事情もあるとは思います。
そういう時はお互い協力し合ってクライアントへの納品日までに何とか仕上げようね!と思えるんですが、特段の事情もなく頻繁にスケジュールを守らない人も結構いました。
そうなると私の仕事にも影響が出てくるわけで、自分だけ真面目にスケジュールを守ってるみたいでバカバカしくなっちゃったんですよね…。

それとやっぱり達成感がなかったのかなと思います。
いかんせん単価が低いので、時給換算すると本当に悲惨なんですよね(笑)
なのでどうしても、“何とか形になったぞ”みたいな達成感よりも、“私、何してるんだろ…”みたいな感情のほうが大きかったのかもしれません。

そういった理由で私は検収の仕事をやめて、今は翻訳の仕事だけ(ごくたま~に放送後の作品のリライトも)しているのですが、ストレスはだいぶ減ったと思います。
もちろん、検収でいろんな作品に触れたから学べたこともあったし、だからこそ今の私がいるとも思っているんですが、今のところは検収の仕事をまた始めることはないかなと思っています。


【映像翻訳の沼にハマる】第7回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回の更新もお楽しみに!

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